銘酒「黒龍」を擁するホールディングカンパニー「石田屋二左衛門」が、福井の酒造りの源でもある九頭竜川のほとりに建築した酒蔵観光施設が「ESHIKOTO」だ。敷地面積約3万坪のうち約1万坪の敷地内に、黒龍酒造の酒と北陸の食を楽しむ「酒樂棟」と、泡酒の二次発酵セラーを備えた「臥龍棟」を2022年6月にオープンさせた。雄大な自然を一望できるこの土地で、酒を核とした人と人との出会いを促し、福井の食文化や伝統工芸の素晴らしさを発信していくという。サイモンコンドルが手がける貯蔵庫の外装材は伝統的な焼き杉板技法で施工され、虚飾を排した蔵のフォルムは伝統的でありながらモダンでもある。臥龍棟の扉を開けて内部に足を踏み入れた瞬間、まるでどこかへ瞬間移動したかのような驚きを覚える。天井高11ｍ、床面積740㎡の空間は、アーケード状の教会を思わせる堂々たる意匠。巨大な木造構造の外壁と屋根フレームで形成される、鉄筋を一切使わないCLT工法を採用し、外観からは想像もつかない西洋の様式美が取り込まれている。

ESHIKOTO WESTエリアに新しく建築される蕎麦屋棟。北陸の古民家のフレームを内部空間に再現し、そのフレームを覆うように三角形の屋根で構成された建築。大きな屋根には、福井産の笏谷石と石川県小松市の滝ヶ原石が使われている。棚田の段差を利用しエントランスは上段の2階エリアから、また下段は九頭龍川を望む大判ガラスで構成されたダイナミックな空間が構成されている。ESHIKOTO WSTエリアのもう一つの特徴的な建物はベーカリー棟として設計され、石川県観音下地区で採掘されていた観音下石を円柱状に積み上げて作られている。観音下石も現在は採掘が禁止されている貴重は石で、北陸エリアでは石蔵の材料として古くから利用させていた。使われなくなった石蔵を解体し再利用されている。

黒龍酒造では、新しくウイスキー蒸溜所の建設を予定しており、臥龍棟でも採用されたCLT工法による大空間をウイスキー樽を熟成貯蔵する為のエリアとイベントスペースを併用して利用出来るように構成されている。

2018年11月1日にOPENした野村不動産ホテルズが立ち上げる新しいライ フスタイルホテル「NOHGA HOTEL」を総合アドバイザーとアートキュ レーションを手掛けました。地域と深く繋がりながらも世界レベルのホテルに昇華すべく、ホテル関 係者と共にアメリカ、ヨーロッパの最新ホテルをリサーチする旅をコーディネートし、そこから新しいホテルのあり方を導き出した。 モノ派など日本のコンテンポラリーアートを世界に発信する東京画廊の 山本保津氏と組み、共用部のアート、客室のアートを選定。 共用部の家具も上質なビンテージ家具への張り替え、floatsomebooksと組んだ選書など現代的にアップデート。 マクロ、ミクロ双方向から新しいホテル文化を多角的に捉え新しいHUB としてのホテルとしてNOHGAは認められている。

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